2月10日のコンサート

2月10日のコンサート


いったいいつの話だ?そう、もう1ヶ月以上も前のことですが。
あらためて時間の速さにびっくりします。

札幌からやっとの思いで帰宅した次の月曜日、銀座ヤマハホールでソロコンサートがありました。ちょっと私も疲れ気味。
前半は、うーん、まだニコライ君も移動の疲れが残っているのか、ちょっと調子が出ないのかなとも感じました。
もっとも私が、彼のショパンの演奏はあまり好まないからかもしれません。
(もう舟歌はいいよ!、なんて。ごめんなさいごめんなさい。)

ところが

後半のラフマニノフピアノソナタ1番

まるで何かのスイッチがはいったのか、なにかがのりうつったのか、

これ!私はこんな演奏を聴きたかったのよ!

混沌としたどろどろした心情を演奏させたらもう彼に勝るものはいないような気がする。
最初から最後まで集中して聴きました。いや、惹きつけられて彼のピアノの世界に引きこまれてしまった、と言うべきか。
3楽章の冒頭部などは、ずきゅーんと射抜かれたような衝撃。なんだ、すべての心を虜にしてしまうような魔力は!

それにしてもすごい熱演で、演奏後、立ち上がるのにちょっとふらついていました。
きっと彼の魂も、あちらの世界に半分以上はいっていたのかもしれません。

アンコールは6曲!
それぞれによかった。ワルツ3曲、ペダルを使わず、あれほどのまろやかななめらかなやさしい響きを出すって……..呆気にとられました。
最後はドビュッシー月の光で締める。
おやすみなさい、これで最後だよ、とささやかれているようでしたが、
きっと黒天使の策略にはまってしまっただけかもしれません。

演奏後にサインを頂きました。
スパシーバ!と言ったのにまったく通じていませんでしたが…。彼はかなり日本語を習得しているみたいなので、日本語で言った方が通じたのかもしれない。(泣)