バッハの宇宙

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世の中にはたくさんのピアニストがいて、
それぞれに個性的で、主張があって、そこがまた面白い。
たくさんのピアニストの演奏が聴ける、というのはなんて幸せなことだろう!

本日のリフシッツの公演で聴いたバッハは、ピアノなのに、ピアノの音だけではなく、時にチェンバロにも、時に金管楽器にも聴こえるという…、
彼の演奏から生み出される多彩な音に驚きました。
まるで指先から魔法の音が紡ぎだされるよう。

伝道者が道を究めるごとく、神経を集中させて一気に演奏する。
音が高い天井へ向けて飛び散り、聴く側も彼の世界に引き込まれる時
気持ちが浄化されるとはこんなことなのか。
そして音楽にこんなにも救われるのかと
激しい感動というものではなく、気持ちが晴れ渡るような感覚を味わいました。