池波の世界

「池波正太郎の世界」10巻目は、「その男」(人斬り半次郎)の特集でした。
その中で、池波先生が、小説を書くために取材に訪れたスクラップが紹介されていましたが、その写真に思わず釘付けになりました。
私も人斬り半次郎こと桐野利秋の生誕の地の近くに何回か行ったことがあるからです。
取材は昭和37年なので私が行ったころよりもずいぶん前ですが、それでも写真には当時の面影が残っていました。
手書きの地図に書いてある橋も、覚えがある。角のお店も。(お店はもっと近代化?していましたが。)
あそこの谷には春になると、れんげ草が薄紫色のじゅうたんをしきつめたみたいにいっぱい咲くのですよね。

虫眼鏡を出して、写真を何回も何回もくりかえし確認しました。
私よりも何年も前に、池波先生がご自身であの周辺を歩いたのか…なんて偶然! そう思うと、なんともいえない、うれしい気持ちです。

そんな折、本日、藤田まことさんの訃報のニュースを聞きました。
ああもう、剣客商売の秋山小兵衛がいなくなってしまうのか、と寂しくなりました。
「池波正太郎の世界」シリーズは30巻まである予定です。きっと、ぜったい、最終巻までには、藤田まこと追悼特集がはいりますよね?
そうでなくては、この雑誌の意味が無い、それくらい大事な方ですもの。

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