浜離宮

浜離宮日本公演の最終日、浜離宮朝日ホールでのコンサート。

本日の演奏は、緊張していたのか、疲れがたまっていたのか、固くなっているよう印象でした。
彼の良さが100%出しきれていなかったような気がしましたが、それでもロ短調ソナタなど、やっぱり彼らしい演奏は、ぐっときました。

今回のニコライ君の日本ツアーの中では、総合としてはつくばの演奏が一番すばらしかったと思います。
でも彼の演奏はどれでもどこでもやっぱり彼らしい、なにか惹きつけられるものがあります。

そして
「同じプログラム」を、
「彼と同じ距離を移動しながら」
「違う会場で演奏を聴く」

という体験をしてみると、
1回の公演で聴くだけではわからないもの、それぞれの良さ、同じ曲の演奏を比較する楽しさを感じることができました。
やはり自分の目や耳で実際に、演奏や人柄を「感じること」って大事ですね。
そして
演奏が、ぐっとくるか、そうでないか。
心に響くか、どうか。とても単純なことですけれど。
ニコライ君の演奏は、心をぐわしっと掴まれるような、何度も聴きたくなるような魔力!?があるような気がします。

実は、有名なピアニストの演奏会に行っても、ぐっとこないこともありますし…。
(そういうときは、敢えて触れないことにしています…。)
きっとそれは、演奏の「好み」の差なんでしょう。

浜離宮でのコンサートももちろん、演奏の間、私にとって本当に幸せな時間でした。
ありがとう、ニコライ君。

(いろいろ 雑感)
前回の公演では、サインや握手して頂いたりして喜んでいたのですが、
今回は、(他の方へのサインをしているところを)撮影するだけで幸せ、という心境になってきました。
というか握手なんてしてもらったら、緊張と興奮のあまりひっくりかえりそうで(笑)とても自信がなかったのです。

プレゼントも渡したい、という気持ちもなくも無いのですが、何を渡していいのか、わからない。そんなワタクシなので、これからも、公演チケットを買ってなるべくたくさんの回数コンサートを聴くこと、が一番ではないだろうか…と思っているところです。

それでも、浜離宮は、この日のために新調した洋服を着て、ハイヒールをはき、きちんとお化粧をして、マニキュアも塗って臨むという…何年か前までは自分自身もたぶん想像もできない、気合の入れようでした。(← 自分でも笑える!)

今回の公演ツアーでは、毎回同じような席に座っていたとはいえ、たぶん、私なんて個体としてはまったく認識されていないと思いつつ、
気合を入れておしゃれをしてコンサートに出かけることで、(大げさですけれど)演奏する方への尊敬というか感謝の気持ちが少しでも伝えられれば、などと思うのでした。
ああ、こういうのって周りから見ると滑稽でしょうねえ。ふふっ。

でも、そうやって好きなピアニストの演奏を聴きにいくことで、幸せな気持ちになれるし、仕事で多少辛いことがあってものりこえられる気力が湧いてくるし、本当に不思議な「力」だなあとしみじみ感じます。